兵庫県が入札で発注した上郡町内のため池改修工事をめぐり、特定業者に価格情報を漏洩して落札させたとして、兵庫県警捜査2課は15日、官製談合防止法違反などの疑いで、同町産業振興課農林振興係主査、梅田康明容疑者(48)を逮捕した。 また、公契約関係競売入札妨害の疑いで、同町の土木工事会社「郡工務店」社長、山本貴志容疑者(50)も逮捕。県警は梅田容疑者が情報漏洩の見返りに飲食接待を受けたとみており、今後、金銭授受の有無についても調べる。 梅田容疑者の逮捕容疑は、平成30年3月に県西播磨県民局で実施された同町内のため池改修工事の入札に際し、非公表の設計金額を山本容疑者に事前に漏洩。山本容疑者から価格情報を聞いた佐用町の建設会社「廣田建設興業」に、最低制限価格とほぼ同額の5808万円で落札させたとしている。県警は2人の認否を明らかにしていない。 県警によると、梅田容疑者は当時、上郡町から同県民局光都農林振興事務所に派遣され、同事務所で土地改良事業の設計や施工を担当。山本容疑者は中学、高校時代の先輩で、県警は複数回にわたり山本容疑者から飲食接待を受けたことを確認している。 入札には24社が参加。うち数社の協力会社には山本容疑者から価格情報が伝えられ、最低制限価格を予想した上で応札。山本容疑者側は、落札した協力会社から工事を請け負うという仕組みだった。県警は同日、両容疑者の自宅や郡工務店などを家宅捜索した。 職員の逮捕を受け、上郡町の遠山寛町長は「捜査に協力し、事実関係が確認されれば厳正に対処する」とコメントしている。
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